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革命期に実在した男装の麗人  テロワーニュ・ド・メリクール [ちょっとした考察]

THEROIGNE de MERICOURT.jpg

フランス革命の男装の麗人といえば、ぱっとオスカル!って連想すると思いますが、

彼女は架空の人物。

でも今日は、フランス革命期にほんとうに男装の麗人が実在していた、って話をしたいなと思います。

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革命以前の旧体制のフランスは、カトリックの教えが人々の生活の奥深くまで

沁みとおっているそういう世界でした。

まさに、子供が生まれたらカトリックの坊さんに洗礼を施してもらい、

12歳ごろになると、堅信礼(一種の大人になる儀式。日本でいうところの元服みたいなもの)、

結婚するときも教会で式をし、

死ぬときは死ぬときで、終油の秘跡をうけ、告解してもらう、

教会の鐘の音を合図に仕事をはじめ、仕事を終えるといった、

生活のリズムができあがっていたのでした。

まさにゆりかごから墓場までカトリック教会に世話にならずには

生きていけない感じなのです。

ま、それはそれでよいのですが、

カトリックには純然たる身分の差は当然というか、自明の理だと認められていました。

人間はそれぞれ自分の身分にしたがって、分をわきまえて秩序正しく生きるのが

人としての道だったのです。

身分とはどのように考えられていたのでしょうか?

今なら身分の差というのは、もともと、その土地の征服者と被征服者の違いだろうと思えるのですが、

当時は違います。

世の中は神の恩寵が深い人とそうでない人がいて、

すごくすごく、神の恩寵が深い人は王冠を授かる運命にある。

つまり王様になれるわけですね。

これがいわゆる『王権神授説』なのです。

そして貴族もそういう恩寵深い人なのです。

じゃあ、第三身分の人、平民はどうなのかというと、神の恩寵があんまり深くない人です。

こういう人たちは神の恩寵から離れているので、王族・貴族よりずっとずっと

能力も低く、容貌も醜く、心根も賤しいものなのだ、とみなされていました。

これねぇ、酷いよね。

貴族って栄養状態がいいから、背も伸びるよね。いいからだしていたと思うよ。

明治時代の人と現代人を比較してごらんなさいよ。

いまの人のほうがダンチにでかいじゃないの。それは栄養がいきわたっているからよ。

革命前の貴族は、ハチでいうなら、ローヤルゼリーを与えられて生きていたようなもんよね。

さしずめ、民衆はみな働きバチよ。

それに、もともと骨格が貧弱なところへ働きづめにしてりゃ、どうしたって

老けるのが早いわね。農民なんて10代の一時期だけよ、若いって感じられるのは。

お肌もかさかさしてるし、お風呂にも入らないから汚いわよ。

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ともかく、このような無知蒙昧な輩を教え導くことが、領主たる貴族の務め。

まぁ、これは建前だよね。

そんなあなた、命をかけて領民を守ってくれる貴族サマがどこにいたっていうの!

領主はいざとなれば、領民のために命も辞さない覚悟を決めて生きていかねばならないかわり、

領民はそういう精神的な重圧から逃れているのだから、分をわきまえて

よく働いて年貢を納めることが肝要とされていたのです。

そう、年貢だけは必ず持っていかれるんだよね。

もう、領主サマに収める年貢やら、教会への年貢やら、なんやらで

もし、10あったら、1手元に残ればヨシとしなきゃならないほどだったのね。

それなのに、特権階級は税金を納めなくてもよかったんザンスのよ~~。

きぃ~、いったいなんなの!!

なんていうのか日本の士農工商みたいな身分制度だったんですね。

百姓は生かさず、殺さずってことば、フランスの農民にもぴったり当てはまるよね!!

第三身分の人々が他の身分に立ち混じれるところはどこでしょうか…?

そうそう、軍隊とか教会ですね!

ですが、こういうところはどんなにすぐれた人でも

身分が低いと上に上がることはないのですね。

反対に貴族だったら、どんなにボンクラでも結構高い地位につくことができるのです。

いきなり大尉からスタートとか

あるいは子供のくせに司教とか。

その代わり、どんなにインテリでも第三身分だったら、村の坊さんどまりとか、

軍人なら本当に頭が切れて、すごく努力したとしても大尉(これだけでもかなりすごい)とか。

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うう、ほんとうに考えるとひどいわぁ。

そこで今日のこのテーマを考える上で重要なことがあります。

カトリックの教義によりますと、女性の男装は「罪」でありますのよ!

あのフランス救国の聖女ジャンヌ・ダルクもたしか、

最後宗教裁判にかけられ、魔女と断罪されましたが、

その罪の中のひとつに「性を逸脱して男のような恰好をして戦いに挑んだ」

のがあります。

ですから~、さしずめオスカルさまは、本当に実在したアンシャン・レジームのフランスの世の中では、

絶対に絶対に絶対に、軍人なんかになれなかったということです。

あれは、まぁ、フィクションなんですよ。

つまり当時は、女性はどんなに優れていても、

男性の活躍する領域には、

少なくとも公式には入れてもらえなかったということです。

(どさくさに紛れて、一緒に戦争に行くのはアリだった)

今日お話しするテロワーニュ・ド・メリクールさんと言う人もそういう

男のダブルスタンダードで人生をめちゃめちゃにされた女性の一人なのです。

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フランスで18世紀末に革命が起こりました。

これまでの体制では、どんづまりで

二進も三進もいかなくなったからです。

もともとルイ16世が即位するときにはすでに財政の危機は訪れていたのでした。

おじいさんのルイ15世は美男で有名ですが、もう政治とかなんとかはそっちのけで

女道一本槍という人です。

彼の庶子はなんと60人以上もいたということですから、そのすごさがわかろうかというものです。

でルイ15世は常々「私が生きているうちは何とか持ちこたえるだろうが…」とはいっていたものの、

緊縮財政をするでもなく、使いたい放題だったんですねぇ。

もう世の中行くところまで行ってしまっていたんですよ。

ルイ16世はそれでもなかなかの名君だったらしいのですが、

時代の波は彼の方には向いていかなかったようです。

この革命はもともと政治形態やら、社会のシステムなどを変えるという目的もあったのですが、

既成の概念を全部ぶっ壊して、新しくて理想に満ちたものを再創造しよう!という

考えようによってはなんかめちゃめちゃロマンティックというか、おめでたい側面もありました。

一番代表的な例はメートル法です。

今も世界水準で当たり前につかわれていますよね。

で、さきほども申し上げましたように、ガチガチのカトリシズムだったフランスも

革命のおかげで「ライシテ(宗教の世俗化)」が進み、

離婚する自由や、宗教を信じない自由もできてしまったのです。

本当は国王が逃亡しなけりゃ、イギリスで国王がその頂にいる

イギリス国教会ができたように、フランス国教会ってものができただろうに、

フランスはいきなり無宗教化していくのですねぇ。

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7月14日、バレ・ロワイヤルでカミ―ユ・デムーラン(ベルばらのベルナール・シャトレの

モデルになった人・ロザリーの旦那様です)が民衆を鼓舞する演説をしました。

そこで民衆のハートに強い愛国心の炎がともり、みんな一斉にバスティーユ攻撃に向かうのです。

ここにひとりの女性がデムーランの演説を聞いて、陶然となっていました。

彼女こそ、フランス革命初期に活躍した革命家たちのアイドル、

テロワーニュ・ド・メリクールなのです。

彼女はもちろん平民、というか一種の高級娼婦でした。

彼女のパトロンとして一時期イギリスの皇太子もいたという話です。

ですが、彼女はほとほとこういう商売は自分に合っていない、と痛感していたのです。

もともと、彼女は聡明な人でこういう女という部分を武器にして生きていくのが嫌だったんでしょうね。

それでも天涯孤独の身、自分の身一つをたよりにして生きて来たのです。

デムーランの演説に心動かされた人々が共有したその場の友愛に満ちた雰囲気を感じ取って

すばらしい時代が来た!と考えたのでした。

で、テロワーニュがえらかったのは、そこで終わりじゃなくて、

もっと深く革命理念を知りたい、勉強したい、と思ったことだったのですね。

彼女の教養はどうにか読み書きはできる程度だったのです。

(当時、読み書きできる人はほとんどいなかったのでこれだけでもかなりエライのですが)

そこで彼女はヴェルサイユの国民会議場にまで赴き、

議員たちが何を話しているのか、直接聞きに行くのです。

今まで系統だった学問を収めたことがない彼女にとって国会が最初の学校となったのでした。

このとき、テロワーニュは、女の恰好をやめ、

乗馬服を着て、腰に一振りのサーベルと二丁の拳銃を下げ、

羽帽子をかぶっていったのです。

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彼女は高級娼婦をやっていただけあって美人だったし、

それにすらりと細身でスタイルもよかったので、

実に男装が似合っていたのだそうです。

そしてたちまち、革命家たちのアイドルとなったのですね。

ただ、彼女の場合、あまりにそれがサマになりすぎていて、有名になりすぎ、

ありもしないうわさが伝説化されて人の口から口へと伝えられ、

どんどんその虚像が独り歩きしてしまったのが、後々彼女を躓かせる元となるのですねぇ。

彼女は、国会の傍聴席に座るために、毎日毎日朝早くから列について並んでいたといいます。

初めは国会議員の演説も、論争を聞いても

何のことやらちんぷんかんぷんでしたが、

それでもマジメにノートを取り、国会に日参していたおかげで

しばらくしたら、本当に革命のことをきちんと理解できる人間になっていたのです。

これは本当に素晴らしいことですね!!

8月26日に採択された人権宣言。

「人間は自由なものとして生まれ、権利において平等である」

彼女はこの言葉を文字通りそのまま受け取りました。どんな人間も自由。権利において平等。

じゃあ、わたしもそうなんだ!って理解したところに彼女の悲劇があるのです。

それに、なまじっか他の男よりも聡明で、弁が立ったのですよ。

そのとき、彼女は「私は男と同等の能力がある! これから女を捨てて男として生きる!」

と決意するのですが、

世間じゃ彼女が女であることをかたときも忘れてはいなかったのですねぇ。

男の恰好できゃあきゃあコスプレしていたところまではみんなやんやともてはやしていたのですが、

理路整然とした口調で弁論するようになると、男どもは一挙に彼女を煙たく思ってしまう。

テロワーニュは、英国皇太子までお客にとるようなココットでしたので、

結構な財産をそのころ貯めていたました。

で、そのお金を使って、革命家たちのサロンまで開いてやるのです。

でもでも、男ってずるいんですよ。

ここまでテロワーニュに金銭面で世話になっていたくせに、

お金が尽きるとテロワーニュをかばってやろうという人間は現れなかったのです。

さて、一旦彼女は生まれ故郷のベルギーに引きこもって、

再びパリに現れたのは1792年。

革命の様子も最初のころとかなり様相が変わっていました。

以前はミラボーが中心となって立憲君主制を推進していましたが、

国王が国外に亡命しようとして失敗し、

国王の人気と権威は失墜してしまいました。

世の中はもはや国王を必要としておらず

共和制を望む声が高まっていたのです。

そして、革命をつぶそうとする諸外国との戦争の機運が高まっていました。

彼女は女性も武器を取って、男性と一緒に戦うよう、みんなに呼びかけます。

「女性市民のみなさん! 私たちの献身的行為によって、敵の策謀の意図を断ち切ることができます。

武器を取りましょう。私たちにはそうする権利があります。フランスの女が18世紀の光明に

少しも遅れをとっていないということをヨーロッパに示してやりましょう!」

素晴らしいですね。テロワーニュ。こんなことまで言えるようになったんだ…。

ですが、世の中の男は決してこれをこころよくは思っていなかったんです。

人権宣言の「人間」というのは、男に限った事であって、女は含まれていなかったのですね。

女は夫に従って、家事をやり、子供をそだてていればいいのだ!

う~む、男の本音が見え隠れしますね!

やはり、理想に燃えている世の中とはいえ、まだそこまで進歩的にはなれなかったみたいです。

ちなみに恐怖政治で有名なジャコバン党の領袖であるロベスピエールは

理想を追い求めるあまり、もうブルジョワ革命を通り越して、

ほとんどこれはプロレタリア革命というか社会主義革命みたいなとこまで

目指した人だと思うのですが、

そんな人でさえ、女性が社会に台頭するのは許せなかったみたいですね。

たぶん、その当時の彼らの女性に対する思いというのは、

その理想の最たるものは聖母、それも「スターバト・マーテル」悲しみの聖母

なんではないでしょうかねぇ。

つまり、男にとって「おふくろさん」っていうのが一番ありがたいもんなんでしょう。

利口ぶって男のようになってほしくない。

どんなに罪深い息子であっても慈しみ憐れむ母。

さかしらげに息子に理路整然と説教する母親とか女房なんていらないんですよ。

そっと後ろから抱きしめてほしい存在なんですよ。たぶんね―。

こういうのって、ロシアにある「聖痴愚」を信仰するのとなんか雰囲気似てますね。

昨日、007シリーズの「スカイフォール」みてましたけど、

ごっつい男、ダニエル・クレイグ扮するボンドをアゴでこき使うのは

小柄な女性上司のM。

国会の審議会の質問するのも女性大臣、答えるのもM。

みんな女性ですよ。

別にそれで卑屈になっている男はいませんからね。

まぁ、イギリスは昔から女王を輩出する国でしたから

そこらへんの耐性は伝統としてあったのかもね。

とにかく、フランスはサリカ法かなんかしらんけど、

女性は王にはなれないの。

フランス人っていうのは、なんかこう理想を追い求めるその純粋なまでのパワーもそうだけど、

いったん許せない!と思ったら、あらゆる汚い手を使って

女性革命家を追い落としにかかるのが本当に熾烈で残酷です。

あいまいなんが嫌いなような気がする…。

ある、女性革命家が

「女性だって、断頭台にかけられたりするんだから、

当然、男と同等の権利はあるんじゃないの?」

と食って掛かったのですが、やはり首だけはきっちり切られて、

しかも権利は認められないのですねぇ~。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最初は第三身分のものが一丸となってまとまっていた国会ですが、

今では比較的穏健であるとみなされているジロンド派と

理想を求めるあまりに急進的なジャコバン派の間で闘争が繰り広げられていました。

国家っていうのは、国内の福祉とかナントカに目を向ける面と

対外政策との両輪のバランスがとれてないととんでもないことになるんですねぇ。

ロベスピエールも平民の味方だとかなんとか言っていますが、

この人だって大学まででていますからね、貧しいとかいっても、やっぱりブルジョワには違いないのです。

でも、そうやってブルジョワ路線に走ると、民衆が黙っちゃいないのですよ。

とたんに暴動になって、クーデタが巻き起こってしまう。

とにかく、革命というたずなを引き絞るのが本当に至難のわざなのでありました。

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最初はテロワーニュの再登場にやんやと喝采が起こったのですが、

またもや、この二派の中で彼女は追い落としの材料として利用されてしまうのです。

彼女はジロンド派の一味だとして、パリの街の女たちに捕まえられ、

白昼の、それも公衆の面前で思いっきりひどい屈辱を受けることになるのです。

フランス革命っていうのは、高邁な理想を求めて人行われたこの上もなく

美しい行為でもある反面、

なんていうのかな、野卑な民衆がどさくさに紛れて、自分たちが妬ましいと思った人物を

血祭にあげる、っていうそういう卑劣なことも同時に行われていました。

美しくて、スタイルがよくて、聡明なテロワーニュの本当の敵っていうのは、

男じゃなくて、「なにさ、女のくせに男みたいなかっこしやがって。

なんであいつだけがあんなにきれいで凝ったブラウスなんかきてられんのさ!

あたいら、マジメに働いたって、一生そんな羽飾りの帽子なんかと無縁だね!

ハン!気取りやがって!」

とこのように嫉妬されるんですよね。

(女の嫉妬っていまも昔も構造は変わらないですね…)

そうやって下町の女たちは国会の入口でテロワーニュをヤジったのですが、

テロワーニュは毅然として、その女たちをにらみ返したのですね。

これがよくなかった!

態度が貴族的過ぎたんです。

目線が思いっきり高かったというか…。

すごくバカにされた、と思ったみたいですね。

女が五六人でテロワーニュひとりを羽交い絞めにして

彼女の後ろに回り込みテロワーニュのスカートをまくり上げ、

むき出しになったお尻を皆の前にさらしてさんざんに平手うちという

暴挙に及ぶのです。

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それを見ていた男たちはゲラゲラ笑うだけでテロワーニュを助けようとする者はいません。

たまたまそこを通りかかった通称「人民の友」であるマラーがそれを見て、

テロワーニュを助け出したのでした。

マラーはテロワーニュを慰めようと手を尽くしたのですが

可哀そうにテロワーニュは、ショックがきつすぎて何も言い返すことも

おこることもできず、ただ泣きに泣いていただけでした。

これが彼女が人前に姿を見せる最後になったのでした。

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あ、ここでベルばらのオスカルさまを思い出してしまう。

彼女も、なんか似たようなことなかったですか?

あ~、そうそう!

フランス衛兵隊に赴任したばっかりのとき、

女だからってんで、アランたち衛兵のボイコットにあって、

夜中のヴェルサイユ宮殿の庭園でひとりでいるところを

男どもにさらわれて、あわや輪姦(失礼!)されそうになったような???

あれ、従卒のアンドレがすぐに気が付いて守ってくれたから事なきを得ましたが、

彼がいなかったら、やはりオスカルさまもテロワーニュみたいになってかも…。

とかく女の場合、屈辱を味合わせてやりたい、って思ったら、

そういう暴行を働こうとするじゃない、なんだかんだいって最後は。

卑劣よね~~。

テロワーニュには、残念なことに守ってくれるボディガードはいませんでした[右斜め下]

結局世間からも

「淫売のくせしやがって、革命家を気取って演説だと? 笑わせるな! ちゃんちゃらおかしいぜ!」

と一笑に付せられ、冗談で済ませられてしまうのです。

実は結構繊細な神経をしていたテロワーニュはこの泥まみれの屈辱に

耐えることができず、精神がおかしくなり、くるってしまったのです。

それから彼女は死ぬまでサトリペリエール婦人療養所で過ごすことになるのです。

享年55歳。

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晩年のテロワーニュ。
かつての美貌のかけらさえ
残っていません。悲しい

五月読んだ本のマトメ [読書&映画]

今月はいつもより、かなり読んだ!

でも、マンガが入っているせいかな?

それでも、結構読んだかも…。

マイブームはフランス革命です。

ビバ!ルイ16世です。

ルイ16世は、ブ男でデブで暗愚というイメージですが、

それはツヴァイクが悪い。

本当のルイ16世は長身で、乗馬とか狩猟とかのスポーツが得意で

めっちゃ頭脳明晰で、寛容で、愛妻家で、

なにより、君主としての器が備わった人だったと思います。

世が世なら、名君として国民に慕われた人だと思います。

改革派で国民を愛した王だからこそ、革命を受け入れた。

本当に自己保身で汲々としたみみっちい王様だったら、

革命が起こりそうになった7月14日に軍隊を使って徹底的に市民を弾圧していたに違いないのです。

ああ、だけどやはり歴史は後戻りできないのですね。

一旦革命が起こると、行きつくところまで行かなければ止められないものなのでした。

もし、ミラボーがもう少し長生きしていられたら、

国王をヴァレンヌに逃亡させはしなかったろう。

そして、フランスは立派な立憲君主国として

今日まで永らえていたのではないだろうか?と思う。

だが、そうならなかったのは、天が定めたフランスの宿命だったんでしょうかねぇ。

 

マリー・アントワネット フランス革命と対決した王妃 (中公新書)マリー・アントワネット フランス革命と対決した王妃 (中公新書)感想


世間ではツヴァイクの書いた伝記が一番有名だと思うが、

これはルイ16世を不当に評価しているということが

最近の研究によって明らかになった。

ルイ16世は非常に聡明な君主で

世が世なら名君と言われてもいい人物だったということに驚く。

そしてマリー・アントワネットも夫君には熱烈な恋情を抱かなかったにしろ非常に敬愛しており、

夫婦仲は決して悪くなかった。

国の大公女に生まれた彼女は「革命」が理解できなかったし、

しようとも思わなかった。革命が起こって死ぬまでの彼女の態度は立派だった。

それは死よりも名を惜しむゆえだった。


読了日:5月30日 著者:安達正勝

物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)感想


素晴らしい理想を掲げて始まったフランス革命。

すべての人が自由で平等で友愛に満ちたユートピアを作るはずだった。

既成の概念をすべて打ち砕き、

人類の英知と希望をもって新しい体制を作るはずだった…。

だが、現実はやはり厳しい。怒涛の10年。

最後はナポレオンが皇帝になったところで、革命は終わることになる

フランス革命は、多層構造で、しかも何回もクーデターが起きて、

その時その時で主導者が違う。なかなか理解するのが大変。


読了日:5月28日 著者:安達正勝

聖者の戦い (小説フランス革命 3)聖者の戦い (小説フランス革命 3)感想


この巻の主役は大貴族でオータン司教のタレイラン

しかし聖職者とは名ばかりの彼は、実は無神論者。

王室によって蕩尽されつくした国家財政を立て直すため、

彼は驚くような案を出した。それはカトリックの財産をすべて国家財政の借財の分に充て、

聖職者をすべて国家の公務員として俸給をもらうシステムにしてしまおうというもの。

教皇権至上主義者たちはもちろん、ガリア教会主義の人間もこれには驚愕を隠せない。

なんたるアンチ・クリスト。タレイランは神をも畏れぬ。

カトリック教会の聖性はどうなるのだ?勝馬にしか乗らないタレイラン。


読了日:5月27日 著者:佐藤賢一

バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)感想


機は熟した!これを失敗させてならじと焦るミラボー。

誰か革命を点火させるヤツが欲しい。

運命の鍵をにぎるその男の名はカミ―ユ・デムーラン。

三流弁護士のデムーランは逸っていた。チャンスは到来している。

だがどうやって世の中に打って出ればいい?

いつまでも八百代言で終わりたくない。

海千山千のミラボーは言葉巧みに唆す。

怒りは燎原の火のごとくそれぞれの心を走り、

パリ市民は一丸となってバスティーユへとなだれ込んだ。

だが革命には道はない。

男が意気地なく鳩首していると、じれた女たちが立ち上がる!陛下、パンを!ひもじいんです!


読了日:5月23日 著者:佐藤賢一

革命のライオン (小説フランス革命 1)革命のライオン (小説フランス革命 1)感想


革命のライオンとはミラボーのこと。

彼は天然痘を患ったので容貌は醜いとされていたがもてる男の典型の一つだった。

ビジュアル的にはジェラール・ドバルデューが挙げられる。

そういわれれば納得できる。

さて本当にフランス革命がどのような変遷をへて起きたかを知るのは容易でない。

特権階級と王族とは同類と思いがちだが実は違う。

貴族は嫌いだが王様を敬愛しているという平民は結構いた。

国民を愛護しているかに見えた王が実はそうでなく武力鎮圧するのもやむなしと決断したとき、

平民の恐怖心から沸き起こったレジスタンスが革命の先駆けだった。


読了日:5月21日 著者:佐藤賢一

イノサン Rouge ルージュ  1 (ヤングジャンプコミックス)イノサン Rouge ルージュ 1 (ヤングジャンプコミックス)感想


もうついていけなくなりました。

「イノサン」って「流した血に関しては私は全くの無垢であります」っていう告解から来ていると思うけど。

そうなんだよ。国王を頂点に戴く法治国家としてのフランスが

下した法的措置の「死刑」を最高法院の末端に位置する「死刑執行人」が実行するわけだから、

私刑じゃない、ってことに最大の焦点が当たるはず。これじゃあ、イノサンといえないです。

ということで、原作から大きく逸脱していますので、打ち止めということで☆


読了日:5月21日 著者:坂本眞一

イノサン 9 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 9 (ヤングジャンプコミックス)感想


なんでこうも『ベルばら』のオマージュにあふれてるの。

なんでアンドレとかアランって名前の人が出て来るの~?

あと、唐突にミュージカルみたいになるのはなぜ? 

この兄と妹ってデビルマンの不動明と飛鳥亮みたいだよね…。

兄のまねをして妹は男装をする。

妹がドレスを着ると、兄は女装するとか…。

なんてのかな~。オハナシの展開がジャンプのノリっていうか。あ、ジャンプなのか!(笑)

話が本来とは全く別のベクトルで動いているよね~。まぁ面白いんだけど。

「死刑執行人」というアンタッチャブルでいる意味がないというか…。


読了日:5月21日 著者:坂本眞一

イノサン 8 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 8 (ヤングジャンプコミックス)感想


マリー・アントワネットも本格的に始動!

 マリー・ジョセフは金髪でサファイアの瞳で長身でって。

まるっきりオスカルさまの焼き直しじゃん!

(といっても中島美嘉そっくりに見えるんだけどね)

ま、オスカルさまはこんなに凶暴で下品じゃないけど…。

なんでルイ16世は王政破壊なんか考えるの

う~む、少年漫画だなぁ。

そんなことあるわけないじゃん(ってなこといったら、マンガにならないのか

嘘はついてもうまく騙されたいよね。


読了日:5月21日 著者:坂本眞一

イノサン 7 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 7 (ヤングジャンプコミックス)感想


ルイ16世がえらい美少年に描いてあるのがいい!と思う。

顔の瞳とか唇とか、ものすごく細かい。

どれだけ時間費やして描いているんだろうって思う。


読了日:5月21日 著者:坂本眞一

イノサン 6 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 6 (ヤングジャンプコミックス)感想


『死刑執行人サンソン』の中にも立像斬首の話は載っており、

これはマンガ化するにはうってつけの題材だなぁとは思っていたが、

それをシャルル・アンリにやらせるのではなく、マリーにさせると。

確かにこのほうが官能的でよいかもしれないが…。

マリーはなんとなく、ドラゴンタトゥのリスベスにも見えて来るんだなぁ。

この人は死刑執行人にしたらあかんよ。アブノーマルだもん。


読了日:5月21日 著者:坂本眞一

イノサン 5 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 5 (ヤングジャンプコミックス)感想


だんだん話はあらぬ方向に。

妹のマリーが!下男の名前、アンドレにするのやめてほしい。受け狙いかしら??


読了日:5月20日 著者:坂本眞一

イノサン 4 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 4 (ヤングジャンプコミックス)感想


妹も怖い…。ダミアンやっと死ねた。はぁ。


読了日:5月20日 著者:坂本眞一

イノサン 3 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 3 (ヤングジャンプコミックス)感想


ババァははっきりいって異常だ!こぇえよ。


読了日:5月20日 著者:坂本眞一


 

イノサン 2 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 2 (ヤングジャンプコミックス)感想


絵が上手い!エッチングで書いたみたい。ギュスーヴ・ドレの神曲を彷彿とさせるよ。


読了日:5月20日 著者:坂本眞一

イノサン 1 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 1 (ヤングジャンプコミックス)感想


本当の話よりはちょっと外連味が強いかも

漫画としてはそのほうが面白いんかもしれないけどね。

この人たちの悲劇はこの人たちがあまりにも慈愛や智慧とかありすぎるからなんだけどな…。


読了日:5月20日 著者:坂本眞一

マスカレード・イブ (集英社文庫)マスカレード・イブ (集英社文庫)感想


東野さんの小説は手堅い。いつ読んでも面白い。


読了日:5月19日 著者:東野圭吾

死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)感想


今年読んだ本の中でぶっちぎりの一冊!

江戸時代の賤民の棟梁・弾左衛門は旗本より格式があったが、

フランスでは死刑執行人がそうだ

貴族に劣らぬ財力を持ち、無知で野蛮であるほうが生きやすかろうに、

職業の特殊性から医学にも哲学にも造詣が深くあらねばならない。

死刑執行人は二律背反の中で生きなければならなかった。

「人を殺める」ことをつぶさに見続けていたからこそ、

死刑は廃絶せねばならないと確信していた。

サンソンにとって自らの手で敬愛する国王の処刑することは、

自分が死ぬより辛いことだった。こんなに胸を打つ本も少ない。


読了日:5月19日 著者:安達正勝

未成年 下巻 (新潮文庫 ト 1-21)未成年 下巻 (新潮文庫 ト 1-21)感想


未成年のアルカージィは繊細で多感だ。

彼は自分が貴族の父親と無教養な農奴の母親の間に挟まれて

とんでもない煮え湯を何度も何度も飲まされる。

特に耐え難いのは、貴族でもない、平民でもない彼の立場からくる貴族からの侮蔑的屈辱。

そして平民からのそしり。

父親のヴェルシーロフはそれなりに魅力的な男だが、本当にダメな父親だ。

父親のいうイデーとかロシア的トスカなど、全く理解できない。詭弁に思える。

この事件は全くアルカージィに罪はないと思う。

やはりロシアは革命が起こるしかなかったように思う。こんなに貴族が傲岸不遜なものなら。


読了日:5月14日 著者:ドストエフスキー

とりかえ・ばや 9 (フラワーコミックスアルファ)とりかえ・ばや 9 (フラワーコミックスアルファ)感想


沙羅と帝についてはあんまり進展がない巻だった。

緘口令が引かれてもすぐに噂が広まるのが宮中の怖いところですね。

可哀そうに睡蓮は無位無官で須磨にでも彷徨っているのでしょうか。源氏みたいね。

ひどいのが右大臣。しかし、石蕗がわりと漢気のあるところを見せます。

やっと出た!と思ったらまた秋までお預けか~~。


読了日:5月12日 著者:さいとうちほ

未成年 上巻 (新潮文庫 ト 1-20)未成年 上巻 (新潮文庫 ト 1-20)感想


不思議な感触。情景描写もなく、いきなり一人称で語られる主人公の手記。

またもや機能不全の一家

主人公のアルカージィは私生児。

本当の父親のヴェルシーロフを憎んで、自分のささやかな理想を実現させ、

自分の威厳を取り戻そうとしている姿は憐れを誘う。

だが、だらしない父親であるはずのヴェルシーロフも話が語られるにつれ、

まるっきり悪人でもなく、それなりに魅力的な男に映る。

多面体は人間の性か。この小説のテーマは何だろう。

人との距離の取り方か、侮辱に耐える臨界線を見極めることか、

それを推し量るのも人間の器量の内なのか。


読了日:5月6日 著者:ドストエフスキー

フランス革命の肖像 (集英社新書ヴィジュアル版)フランス革命の肖像 (集英社新書ヴィジュアル版)感想


本書は、肖像画とその人の功績を比べて考察したもの。

特に面白かったのがルイ16世。

彼は肥満した醜男で愚鈍というイメージがあるが、

祖母と母が北方の血だけあって、色素が薄く178センチで長身の偉丈夫だった。

さらに博識で頭脳明晰。

しかも愛妻一本やりということだから、

この時代に生まれさえしなければ結構名君として国民に慕われたのではないか。

肖像画もリアルなタッチで臨場感がある。

反対にナポレオンは英雄の誉れ高いが、きっとサイコパスだったと思われる。

目的のためには手段を択ばなかった。そんな酷薄な表情も肖像画に見て取れる。


読了日:5月2日 著者:佐藤賢一


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