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悪魔ですら「神の栄光」のために存在する。  『エクソシスト』 [読書&映画]

これまでの読書人生でベスト10の中に入る傑作中の傑作。

エクソシスト (創元推理文庫)

エクソシスト (創元推理文庫)

  • 作者: ウィリアム・ピーター ブラッティ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫




 子供の頃、前評判があまりに恐ろしくて見られなかった映画だが、

悪魔に取り付かれた少女の恐ろしい変貌ばかりが独り歩きして

この作品の真の魅力を伝えられず、

理解されもしなかった。

これは実は愛のドラマである。

女優という最も今風な職業についている32歳の母親と12歳の娘。

無信仰の女優が、あらゆる治療を求めていきついた先が「悪魔祓い」。

そして悪魔祓いを頼まれる神父。これは本当に悪魔憑きなのか精神分裂病か、

精神科医でもある神父は悩みに悩む。読了後の感動の涙が半端ない。

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この小説の作者は実は神学校を出て

神父になるはずだったらしいですが、

やはりどうしても物書きになりたくて、

神父の道は断念したらしいです。

だから、といいましょうか、

ものすごいリアリティがあります。

私はエクソシストの本当の主人公は

悪魔にとりつかれた少女リーガンを看る

神父でもあり、悪魔学の第一人者で、また精神科医でもあり、

母校のジョージタウン大学で教鞭をとるデイミアン・カラス神父だと思います。

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ちょっとここで断っておかなきゃならないと思うので

いいますが、カトリック教会の神父になるというのは、

実は生半なことでは絶対になれません。

カトリックにはヒエラルキーがありまして、

神父は民衆を統率する将校の役割をします。

民衆をどんなに愚鈍でも迷信深くてもいい、

しかし神父はそうはいきません。

というのも、かなり神父になるには修養が必要で、 

高い教養と知識が必要だからです。

それをわかって読んでいるとかなり理解度が違うと思います。

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デイミアン・カラス神父は実は難民二世であり、ユダヤ人でもあります。

そして幼い頃はニューヨークのスラム街で育ちました。

しかしそんなバックグラウンドが全く感じさせないほどの

ルックスと雰囲気を持っています。

なんか読んでいて、政治学者の姜尚中サンを彷彿とさせるんですねぇ。

はじめ、リーガンは周りのものが「え?」っと思うような

穢い言葉を使うようになるんですね。

それがだんだんと大きくなり、そして家の中で超常現象が起こるようになり、

大きな精神病院で見てもらって、

「精神分裂病」ではないか、と診断されるのですが、

しかし、その精神分裂病とされる患者とは検査のデータ結果が違うのです。

さじを投げた担当主治医が「最後の手段で、効くかどうかは保証のかぎりではないけれども」

と条件をつけ、「カトリックの悪魔祓いをして過去によくなった症例がある」

というんです。

母親のクリスは32歳の今を時めく女優で、

もちろん信心に凝り固まった人間でもなく、

特定の教会に行くでもなく、

そういったものは、過去の迷信であるとして

一蹴してきた人物なのです。

ですが、事はここに及んで、彼女も娘のあまりに恐ろしい変貌、

くさい吐息、話の内容を聞いて、これは本当に悪魔がとりついているんだと、

確信に至るようになるのです。

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一方のカラス神父ですが、

この人はそうおいそれと、悪魔祓いをしましょう~などとは言いません。

「奥さま、私が今まで見た症例で、悪魔が憑いていると思われたほとんどは

精神病です。お嬢さまもそれに違いないと思います」

となかなか悪魔祓いをしようとしません。

それに、やはり現代のカトリック教会はそういった迷信に非常に懐疑的で

悪魔祓いをしたことに対して世間の風評をものすごく気にするのです。

ですから、二重三重にやりたがりません。

カラス神父は「もし、悪魔祓いをするならば、

法王庁がそれと認める決定的な証拠というものを、きちんと提出しなければなりません」

その中にはいろいろと複雑な要項が出て来るのです。

本人が知りえない事実を知っている、であるとか、

本人が扱えない、例えば古いギリシャ語やアラム語などが使えるとか

そういった事項は、やはりリーガンの中から出てきます。

悩んでいる中で、悪魔はリーガンに睡眠をとらせようとしないし、

ものを食べさせようとしないので、次第に衰弱していきます。

カラス神父は悪魔に「何が望みだ?」だ尋ねると

「この雌豚の死だ!」というのですねぇ。
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ここにきて、カラス神父は決断します。

大司教に悪魔祓いをすることを許可を得ます。

すると悪魔祓いを過去に行ったことがあるベテランの神父と一緒に

行えという通達が来るのです。

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しかし悪魔はなかなかしぶとく、リーガンの身体から去っていきません。

あまつさえ、先輩神父のペリン神父も悪魔祓いの途中で

心臓麻痺を起こして死んでしまうのです。

「この雌豚はおれのものだ!」

と狂喜している悪魔に向かって、いつでも冷静だったカラス神父は切れます。

「なんだ!お前は! そんな小さくて弱い女の子供にとりついてなにが楽しい?

おまえの力はそんなもんじゃないだろう? どうせなら大の男であるおれについて見せろ!」

と叫ぶのです。

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愛の瞬間ですね~。

カラス神父は、理性的にそういったわけじゃないんですよ。

そして、カラス神父は悪魔が少女の身体から去って、自分にとりついたと悟った瞬間に、

自ら悪魔と一緒に二階から飛び降りるのです。

う~ん、殉教ですね。

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昔、子供のころ、お化けがいるのであれば、あの世があると思って

妙に安心したことがあります。

死んで無になるよりは、悪魔でもおばけでもいいから

いるほうがいい、と思ったのです。

私は小さいころ、クリスチャンの家庭に育ったので、

牧師さんに聞いたことがあります。

「どうして世の中には、不幸な人や、体の悪い人がいるのですか?

神さまが全能なのであれば、どうしてエデンの園に人間を試すように

禁断の木の実などを植えるのでしょう?

神さまは意地悪ですね、と」

牧師さんはこうおっしゃいました。

「世の中のありとあらゆる出来事は、一切が神さまの栄光を表すために

存在しています。


それがわたしたちの眼からみてどんなに悲惨なことであろうとも、

それは神さまの愛から出たことなんですよ。

あなたもいつか、その大きな愛というものに気が付くことができるでしょう」

とわかったようなわからないようなことをおっしゃいました。

しかし、本書を読むと当時、子供の私に真摯に答えたくれた

牧師さんの言葉が頭によぎります。

本書はリーガンが悪魔にとりつかれてから、三人の男性が死んでしまうのですが、

そういった悲惨さの影に、どれだけの人間が深い思いで、

必死になってその少女から悪魔を取り去ってやろうと腐心しているかが

わかるのです。

現代の世の中において、神はともすれば共有する「愛」を人間に思い出してほしくて

こういった荒業をやってのけるのか、と思ったりするのです。

無関心ほど愛から遠いものはありませんから。

コレスポンデンス ある天文学者の恋文 [読書&映画]

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ただいま上映中の映画ですので…。

主演はジェレミー・アイアンズとオルガ・キュリレンコ。

どっちも大好きな俳優さんです。

ジェレミー・アイアンズは昔からこうちょっとセクシーな俳優さんでしたが、

お歳を召してからますます、って感じですかね?

オルガ・キュリレンコもすごく美しい人なんだけど、どこか温かみのある

優しい表情がとても印象的でした。

あと、映画を見ていて思いましたが、

スマホが普及し、ラインが出来上がったことで

あっというまに世界共通のコミュニケーション・ツールが浸透して

人の反応というか、世界が同時進行でやることが同じっていうのがある意味すごいな、と。

これがちょっと前でしたら、例えば007の『カジノロワイヤル』の劇中のヴェスパーが

ケータイを持っていても、日本仕様とは違うので、ガイコクって雰囲気を感じることができましたが、

いまや世界中、着信音までが一緒だという…。

ある意味で驚きです!

この話は、そういうツールを駆使して

応答し合う愛の物語ですね。

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とまあ、これから見に行こうという人はここまで、です。

ネタばれありです。。。 

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九月読んだ本のマトメ [読書&映画]

今年は夏バテがきつくて、なかなか読書に集中できなかったかなぁ~。

『神話の力』はすごく面白かった! 

この作者ノジョゼフ・キャンベルって方の著作は他にもいろいろ読んでみたい~~。

聖書、コーラン、仏典などなどはすべて原理主義的に読むべきではない、

すべては暗喩として象徴されるっての、なんかすごく納得です。

 

神話の力神話の力感想


なかなか難しい本だが、今後もたぶん何度でも再読するだろうと思う。

人間は太古から現代にいたるまで、死ぬこと、

たとえそれが植物であっても他の命を奪わずには生命を保持できないこと、

また男女がいる限り性的な問題を避けては生きられないこと。

この三つの宿命を背負っているので、心の中で抱く恐れや希望のイメージはほとんど変わらない。

だから世界のどこにでもたいてい似たような神話があるということだった。

神話は暗喩。人は宗教で人生の指針を決めようとするが、

その前にもうちょっと深い精神世界を旅することも有意義ではないかと思えた。


読了日:9月26日 著者:ジョーゼフキャンベル,ビルモイヤーズ


 

聖船のラー 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)聖船のラー 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想


くだらないけど、面白い!


読了日:9月25日 著者:繭住翔太

マリー・アントワネット (KCデラックス モーニング)マリー・アントワネット (KCデラックス モーニング)感想


惣領センセもここまで来たかって感じです。ルイ16世レイちゃんにそっくりなんです!

イケメンのルイ16世。この本の続きも十分に読みたいですが、

「チェーザレ」も頑張ってほしいと思うこの頃。


読了日:9月25日 著者:惣領冬実


 

キリストとテンプル騎士団―スコットランドから見たダ・ヴィンチ・コードの世界キリストとテンプル騎士団―スコットランドから見たダ・ヴィンチ・コードの世界感想


なんだこれ?少し読んですっごく後悔した。

トンデモ本です。くっそぉ~ダームイット!!売り飛ばしてやるぜっ!!

 聖杯のマークは島津かっての!腹立つ~~!!


読了日:9月21日 著者:エハンデラヴィ


 

ナポレオンを創った女たち (集英社新書)ナポレオンを創った女たち (集英社新書)感想


ちょっと瞠目したのが

今日の「男社会」の根幹を作ったのが他ならぬナポレオンであるということ。

そしてその心情は「男こそがえらい!」というマッチョな考えでなく、

夫婦が愛し合い、支え合う美しい家族を作りたいっ!

という結構びっくりするようなロマンティックな心情からだった。

というのも革命前の貴族は、夫婦が仲がよくないのが当たり前なのであって、

仲が良かったらそれこそ「育ちが悪い」と揶揄されてしまっていたとか。

立てる男を育てるのも女なら、男は立ってこそ女を護れる、

っていうのも純情すぎてナポレオンがかわゆく思える。


読了日:9月14日 著者:安達正勝

ジョゼフィーヌ―革命が生んだ皇后ジョゼフィーヌ―革命が生んだ皇后感想


これまでいろいろと読んだが、これはぶっちぎりに面白かった。

傍目からみたら全くマッチしてないふたり。

女は男より六歳も年上の二人の子持ちの未亡人

まぁ、美人だがとびきりというわけでもない。

かたや貧相な小男。

女は革命を辛くも生き延び、全く食指が動かなかったが、

それでも将来のことを考えれば今はこの男にすがるしか道はなかった。

激戦地で考えられないような情熱的な恋文を毎日毎日欠かさずに書くナポレオン。

つれないジョゼフィーヌ。希代の傑物には器の大きい女でなければならなかった。

人は多面体だという見本のような話。

ナポレオンは女の趣味がよかったのか、悪かったのか、

それは意見の分かれるところだろうが、

私が目するところ、結構目が高かったんだと思います。

ジョゼフィーヌって「あげまん」だったんですよ。

ナポレオンも革命の子なんだし、

出自なんかにこだわらないで、最後まで突っ走ってくれたなら、

セントヘレナ島なんかに流されなくてもよかっただろうに、と思うんだけどね。

ま、彼は死んで名を残したっていうんだから、

まあ、それもよしでしょうか???


優先順位 [ワタシのキモチ]

最近ねぇ~、悩んでいるんですよ。

何をって。ハイ、優先順位ですねぇ。

っていうのも、やりたいことはどれもこれも

すぐにできちゃうっていうわけでもなくてぇ。

あ、お花だけはすぐに活けられますけどね…。

それにしても、編み物もめっちゃ時間かかるし、

編み物ほどじゃなくても、ソーイングもまぁま、時間かかる。

ピアノも上手くなるには時間かかるもんだし…。

本を読むのも、流し読みじゃなかったら、メモしながら読んでたりすると

これも結構、時間がかかるもんです。

あとなんといっても、小説書いてるのが一番アホみたいに時間がかかるかな。

朝の清らかな時間にモーソーしていると、

自分がものすごくバカみたいに思えるんで、

やっぱり創作活動は夜のようがいいみたいですね。

そもそも私が書く話って不健康な話が多いしねぇ…。

小説はね、しばらく止めていたんです。

というか、やらない、と思っていたんだけど、

人間とは不思議なもので、

いつ自分の気持ちが変わるかわからないもんなんですね。

で、最近、どうやってこれらの趣味を統合していけばいいのか、

悩むのよね。

本当はみんなそれなりに面白いし、また深い所で連動しているので、

みんな少しずつやればいいのだろうけど、

わたしったら、一極集中型なもんだから、

みんな少しずつ、じわじわとっていうのができない。

ああ、どうしたらよいものか。

神よ~、われに天啓を授けてくだされ~!!


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