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11月読んだ本のマトメ [読書&映画]

今月はあんまり読んでいません。というかひたすらに「坂の上の雲」をメモりながら読んでいたので、 めちゃくちゃ時間かかりました。

こんなすごい小説、絶対にもう二度とは読む気になれないと思うけど、さぁ~っと地図もみないとか、ストラテジーも理解しないで読むのはあまりにももったいないので、かならず、地図を傍に置いて、どう攻略していったのかイチイチ理解しながら読みました。

読んでいて気が付いたのですが、やはり軍人でも、戦争の状況をみて「勝った、負けた」という手ごたえはつかみにくいようですね。ゲームのように「game over」などとでないからね。

「閣下、どうやら我々は勝ったようですな…」

「そのようですな」

なんですね。日露戦争は日本がお金がなくて、本音をいればやりたくない戦争だったけれど、それいってだまっていれば、絶対にロシアに日本の一部を取られていたに違いない、という戦争で

児玉源太郎ってエライ人が出て来るんだけれど、「一生懸命、日本人が知力を尽くして5部5部の勝負になるんだろうけど、そこをなんとか頑張って6対4に持って行って、講和したい」という戦争だったんですね。

わたしのおじいさんは日英同盟が結ばれた年、1902年、昭和35年生まれなんだけれど、それよりも20年ほど前に生まれた好古みたいな人物がいたこと自体、なにかとんでもない奇跡のように感じる。

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坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)の感想

日本は大国の「バルチック艦隊」を破った!!ということだけに焦点を絞って喜んでいるが、ロシアはもとより欧州の国々はこれを「気狂いにも等しい」愚行とみなしていた。

なぜにロシアから日本へいくのにわざわざ北海を通り、南下してアフリカを通り、中近東を通り、東南アジアを通って北上するのか?

しかも司令官は無能が服を着て歩いているようなロジェストウェンスキー。無能さにおいては日本の乃木・伊地知といい勝負。

さて、虎の子の第七師団を旅順に投入に蛮行を犯して多くの兵を無駄死にさせ、ついに児玉と大山が立ち上がった。次はどうでる?

読了日:11月28日 著者:司馬遼太郎

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)の感想

旅順・遼陽攻略の場面が素晴らしかった。日本は御一新によって柔軟な思考ができる人間がトップにいたからこそ、辛くもロシアに勝利した。反対に凡庸な人間なのに2万人死なせても反省できなかったのが伊地知幸介。

影でロシア革命の揺動させた明石元二郎。ミニ・ナポレオンともいうべき天才、児玉源太郎。加えて下士官にまでしたわれたマカロフ。ヨーロッパ型の完全主義者のクロパトキンなど敵にも魅力的な人間がたくさんいる。

戦争は実戦、作戦、戦略に強い人間、それぞれの連携プレーだ。慎重すぎても蛮勇すぎても負ける。さて次はどうなる。

読了日:11月26日 著者:司馬遼太郎

聖杯の血統―イエスの隠された系譜聖杯の血統―

聖杯の血統―イエスの隠された系譜

イエスの隠された系譜の感想

はじめの方のイエスがダビデの血統で、当時の慣例によってどのような婚礼をしていたかというのは興味深く読んだ。

サングレアルといわれる王家の血がメロヴィング朝に伝えられ、ロレーヌ家、ハプスブルグ家に伝わるというのは知っていた。そして著者によればスチュアート朝もその系譜に入るとか。

ということはヨーロッパの王家というのはユダヤ人の末裔ということになりますよねぇ。ブルーブラッドって何なんだろうって考えてしまった。あと王家の血筋というのもここまでくるとそこにどんな意味があるの?なんか眉唾のような気も…。

読了日:11月11日 著者:ローレンスガードナー

その女アレックス (文春文庫)

「イレーヌ」よりも格段に構成が緻密。

被害者が実は加害者、加害者が実は被害者と話は息もつかせない展開になる。最愛の妻を亡くして立ち上がれないカミーユを立ち上がらせたものはこの一見残虐非道にも見える事件だった。

個人的にアレックスの家族が自分の親と兄に似ていたので、非常にアレックスに同情した。カミーユの造形といい、アレックスといい、作者はきっとそういう毒親の被害者なのではと思う。

私は性的虐待やここまでひどい暴力は振るわれていないが、アレックスのようなめにあったら、やはり同様にやってしまうかもしれない。

読了日:11月2日 著者:ピエールルメートル


熱狂させるヴァイオリン! 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』 [読書&映画]

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さて、昨日、Amazonプライムにて

さまよっていると、

突然、この映画が現れました。

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この映画の一番のウリはなんといっても

主役を務めるパガニーニに、本物のヴァイオリニスト、兼 モデルという

天は人に二物以上与えてしまった稀有な存在、

ディビッド・ギャレットを配したことにありそうです。

映画の中でパガニーニ扮する彼が、

五億円という名器を使って吹き替えではなく、本物の超絶技巧を堪能できるというのも、

ひとつのウリであります。

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彼の技巧とパフォーマンスは、現代の女性も十分にきゃーきゃーと熱狂させるものが

あると思います。まるで映画かれ方は19世紀のロックスターのようでした。

そして、このディビッド・ギャレット自身の演奏が、映画のように

こんなド派手なパフォーマンスをするのかどうかわかりませんが、

非常にこう、なんていうんですかねぇ、かっこよいんですよ。

長い腕と指を存分に生かしたダイナミックな演奏はロマンティックでしかもセクシー。

また、こういう現代に通じる恰好よさというのは

やはりダンディズムが台頭していきた19世紀のものだなぁと思うんです。

昔のヨーロッパってシンメトリーが好きで、そういう意味からも

こんなヴァイオリンというものは受け入れられなかったと思うんですね。

またアンシャンレジームのヨーロッパというのは

こういうふうに人前で激情に駆られるようなプレイというのは

かなり不謹慎というか、かっこ悪いものだと認識されていたような気がします。

時代はロマン主義に入りまして、やはりこういうアシンメトリーの美が

もてはやされるようになっていくんでしょうね。

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美しさというのは、こんなふうにその時代の人々の集合的無意識にも

支えられているもんなんだ、とつくづく思いました。

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10月読んだ本のマトメ [読書&映画]

 

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)感想


ついつい視線はブリリアントは秋山兄弟に行きがちだが、結構子規も面白い。

彼は病を得たから歌に専念できて後世に名を残すことができたのかもなぁとも思う。

ただ物語はこの三人だけに及ばず、視点が作者自身なので、

結構ワールドワイドにあちこちと飛ぶ。小村寿太郎も魅力的だ。

アメリカの海軍の様子も、ロシアの無能の皇帝ニコライ二世も、

結構狡猾な李鴻章も、それぞれに個性があって面白い。

19世紀という帝国主義の時代に乗り遅れた清と朝鮮は

西洋の列強にむしり取られるだけむしり取られようとしている。ロシアの脅威におののく日本。


読了日:10月29日 著者:司馬遼太郎

エクソシスト (創元推理文庫)エクソシスト (創元推理文庫)感想


これまでの読書人生でベスト10の中に入る傑作中の傑作。

子供の頃、前評判があまりに恐ろしくて見られなかった映画だが、

悪魔に取り付かれた少女の恐ろしい変貌ばかりが独り歩きして

この作品の真の魅力を伝えられず、理解されもしなかった。

これは実は愛のドラマである。

女優という最も今風な職業についている32歳の母親と12歳の娘。

無信仰の女優が、あらゆる治療を求めていきついた先が「悪魔祓い」。

そして悪魔祓いを頼まれる神父。これは本当に悪魔憑きなのか精神分裂病か、

精神科医でもある神父は悩みに悩む。読了後の感動の涙が半端ない。


読了日:10月22日 著者:ウィリアム・ピーターブラッティ

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)感想


日本の軍隊組織の成立をきちんと把握しておきたいと思って読んだ。

それにしても洋装すら珍しかったこの時代に、伊予の松山から下級士族の分際で、

しかもふたり揃ってよくぞと思うほど出来過ぎる秋山兄弟。

一人は陸軍の騎兵隊に、一人は海軍兵学校に。

兄の好古は騎兵としても優秀で士官学校から陸大は進学したのだが、

当時陸軍は普仏戦争の影響もあってか、陸軍のメソッドも仏式から独式に移行しつつあるところだった。

黙っていればドイツに留学するはずだった好古は、旧松山藩主の供でフランスへ留学する。

これが後の日露戦争に勝つ鍵となる。


読了日:10月18日 著者:司馬遼太郎

とりかえ・ばや 10 (フラワーコミックスアルファ)とりかえ・ばや 10 (フラワーコミックスアルファ)感想


気が付いたら、すでに10が出てた!おいっ!気を持たせるよなぁ~

なぜに帝、躊躇する?一方ガリマッチョでワイルドになった睡蓮も気になります。


読了日:10月13日 著者:さいとうちほ

シャッター・アイランド (ハヤカワ・ミステリ文庫)シャッター・アイランド (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想


ディカプリオの同名の映画を見たので、復習のため。

個人的には映画のほうが耽美的な効果とディカプリオの演技もあってか

数段魅力的に思えた。

何の先入観もなく本作品だけを読むと、

アメリカの作家独自のざらっとしたドライな文章と最後のオチが

映像だけでは説明できない複雑さに満ちていて、それはそれで評価できる。

だが、オチが非常に難しく、しかもエンドレスな感じで終わっているので、

どうも後味が悪い。

私は後味が悪いと評判の『悲しみのイレーヌ』を読んでもさほど悲惨とも思わなかったので、

問題はその文体にあるのだと思う。


読了日:10月11日 著者:デニスルヘイン

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)感想


いかにもフランス人らしい「ウーララァ」et「エアロール」

連発しそうな連中ばかりが出て来て面白かった。

主人公が憧れる「かっこいい眼鏡のはずし方」っていうのが三通り説明されていて

爆笑してしまった。

いつも思うが、フランス人のエスプリは知と痴が混じっている。

とはいえ終盤は息もつかせぬ迫力で、どうなる?と手に汗を握って読んでおりましたが、

しかしタイトルの『悲しみのイレーヌ』っていうのはよくないような気がする。

半分真実を語っているようなもんじゃないですか~。

ま、私は犯人が出てきたところで見破ってましたけどね(笑)


読了日:10月4日 著者:ピエール・ルメートル

シオン修道会が明かすレンヌ=ル=シャトーの真実シオン修道会が明かすレンヌ=ル=シャトーの真実感想


表紙に偽りあり!結局これもトンデモ本でした…。っていうかさ、

筆者がこれこれこうでって新知見を出す度に

訳者がカッコつきで間違いを訂正しているというお粗末さ。

筆者って巷のヲタクで一般人よりはよく知っているレベルなのかもしれないけど、

本を書けるほどのレベルには至ってないでしょ。

もう読むのが苦痛で苦痛で。結局シオン修道会とは何なのか全くわかりませんでした…。


読了日:10月1日 著者:ロバート・ハウエルズ

10月のスカ本を一冊掴まされてしまった…orz

少し遅れて話題のルメートルのミステリと

初司馬遼太郎。

どっちも非常に素晴らしい!!

私はどうして明治維新が起こって、どのような経緯で日清・日露戦争が起こったのか

全然知らなかったが、非常によくわかって感激した。

ところで、私は地方の公立高校の普通科を卒業したのだが、

中学もそうだが、高校もとてもじゃないが、近世ぐらいで終わってしまい、

肝心の近代は全く習っていない。

なんだか非常に学校のシステムが悪いのではないのかなぁと思うのだ。

一年で世界史、日本史全部教えるの、ムリでしょ。

古代ばっかりに何時間も使うの止めて欲しい…。 


 


悪魔ですら「神の栄光」のために存在する。  『エクソシスト』 [読書&映画]

これまでの読書人生でベスト10の中に入る傑作中の傑作。

エクソシスト (創元推理文庫)

エクソシスト (創元推理文庫)

  • 作者: ウィリアム・ピーター ブラッティ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫




 子供の頃、前評判があまりに恐ろしくて見られなかった映画だが、

悪魔に取り付かれた少女の恐ろしい変貌ばかりが独り歩きして

この作品の真の魅力を伝えられず、

理解されもしなかった。

これは実は愛のドラマである。

女優という最も今風な職業についている32歳の母親と12歳の娘。

無信仰の女優が、あらゆる治療を求めていきついた先が「悪魔祓い」。

そして悪魔祓いを頼まれる神父。これは本当に悪魔憑きなのか精神分裂病か、

精神科医でもある神父は悩みに悩む。読了後の感動の涙が半端ない。

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この小説の作者は実は神学校を出て

神父になるはずだったらしいですが、

やはりどうしても物書きになりたくて、

神父の道は断念したらしいです。

だから、といいましょうか、

ものすごいリアリティがあります。

私はエクソシストの本当の主人公は

悪魔にとりつかれた少女リーガンを看る

神父でもあり、悪魔学の第一人者で、また精神科医でもあり、

母校のジョージタウン大学で教鞭をとるデイミアン・カラス神父だと思います。

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ちょっとここで断っておかなきゃならないと思うので

いいますが、カトリック教会の神父になるというのは、

実は生半なことでは絶対になれません。

カトリックにはヒエラルキーがありまして、

神父は民衆を統率する将校の役割をします。

民衆をどんなに愚鈍でも迷信深くてもいい、

しかし神父はそうはいきません。

というのも、かなり神父になるには修養が必要で、 

高い教養と知識が必要だからです。

それをわかって読んでいるとかなり理解度が違うと思います。

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デイミアン・カラス神父は実は難民二世であり、ユダヤ人でもあります。

そして幼い頃はニューヨークのスラム街で育ちました。

しかしそんなバックグラウンドが全く感じさせないほどの

ルックスと雰囲気を持っています。

なんか読んでいて、政治学者の姜尚中サンを彷彿とさせるんですねぇ。

はじめ、リーガンは周りのものが「え?」っと思うような

穢い言葉を使うようになるんですね。

それがだんだんと大きくなり、そして家の中で超常現象が起こるようになり、

大きな精神病院で見てもらって、

「精神分裂病」ではないか、と診断されるのですが、

しかし、その精神分裂病とされる患者とは検査のデータ結果が違うのです。

さじを投げた担当主治医が「最後の手段で、効くかどうかは保証のかぎりではないけれども」

と条件をつけ、「カトリックの悪魔祓いをして過去によくなった症例がある」

というんです。

母親のクリスは32歳の今を時めく女優で、

もちろん信心に凝り固まった人間でもなく、

特定の教会に行くでもなく、

そういったものは、過去の迷信であるとして

一蹴してきた人物なのです。

ですが、事はここに及んで、彼女も娘のあまりに恐ろしい変貌、

くさい吐息、話の内容を聞いて、これは本当に悪魔がとりついているんだと、

確信に至るようになるのです。

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一方のカラス神父ですが、

この人はそうおいそれと、悪魔祓いをしましょう~などとは言いません。

「奥さま、私が今まで見た症例で、悪魔が憑いていると思われたほとんどは

精神病です。お嬢さまもそれに違いないと思います」

となかなか悪魔祓いをしようとしません。

それに、やはり現代のカトリック教会はそういった迷信に非常に懐疑的で

悪魔祓いをしたことに対して世間の風評をものすごく気にするのです。

ですから、二重三重にやりたがりません。

カラス神父は「もし、悪魔祓いをするならば、

法王庁がそれと認める決定的な証拠というものを、きちんと提出しなければなりません」

その中にはいろいろと複雑な要項が出て来るのです。

本人が知りえない事実を知っている、であるとか、

本人が扱えない、例えば古いギリシャ語やアラム語などが使えるとか

そういった事項は、やはりリーガンの中から出てきます。

悩んでいる中で、悪魔はリーガンに睡眠をとらせようとしないし、

ものを食べさせようとしないので、次第に衰弱していきます。

カラス神父は悪魔に「何が望みだ?」だ尋ねると

「この雌豚の死だ!」というのですねぇ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここにきて、カラス神父は決断します。

大司教に悪魔祓いをすることを許可を得ます。

すると悪魔祓いを過去に行ったことがあるベテランの神父と一緒に

行えという通達が来るのです。

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しかし悪魔はなかなかしぶとく、リーガンの身体から去っていきません。

あまつさえ、先輩神父のペリン神父も悪魔祓いの途中で

心臓麻痺を起こして死んでしまうのです。

「この雌豚はおれのものだ!」

と狂喜している悪魔に向かって、いつでも冷静だったカラス神父は切れます。

「なんだ!お前は! そんな小さくて弱い女の子供にとりついてなにが楽しい?

おまえの力はそんなもんじゃないだろう? どうせなら大の男であるおれについて見せろ!」

と叫ぶのです。

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愛の瞬間ですね~。

カラス神父は、理性的にそういったわけじゃないんですよ。

そして、カラス神父は悪魔が少女の身体から去って、自分にとりついたと悟った瞬間に、

自ら悪魔と一緒に二階から飛び降りるのです。

う~ん、殉教ですね。

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昔、子供のころ、お化けがいるのであれば、あの世があると思って

妙に安心したことがあります。

死んで無になるよりは、悪魔でもおばけでもいいから

いるほうがいい、と思ったのです。

私は小さいころ、クリスチャンの家庭に育ったので、

牧師さんに聞いたことがあります。

「どうして世の中には、不幸な人や、体の悪い人がいるのですか?

神さまが全能なのであれば、どうしてエデンの園に人間を試すように

禁断の木の実などを植えるのでしょう?

神さまは意地悪ですね、と」

牧師さんはこうおっしゃいました。

「世の中のありとあらゆる出来事は、一切が神さまの栄光を表すために

存在しています。


それがわたしたちの眼からみてどんなに悲惨なことであろうとも、

それは神さまの愛から出たことなんですよ。

あなたもいつか、その大きな愛というものに気が付くことができるでしょう」

とわかったようなわからないようなことをおっしゃいました。

しかし、本書を読むと当時、子供の私に真摯に答えたくれた

牧師さんの言葉が頭によぎります。

本書はリーガンが悪魔にとりつかれてから、三人の男性が死んでしまうのですが、

そういった悲惨さの影に、どれだけの人間が深い思いで、

必死になってその少女から悪魔を取り去ってやろうと腐心しているかが

わかるのです。

現代の世の中において、神はともすれば共有する「愛」を人間に思い出してほしくて

こういった荒業をやってのけるのか、と思ったりするのです。

無関心ほど愛から遠いものはありませんから。

コレスポンデンス ある天文学者の恋文 [読書&映画]

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ただいま上映中の映画ですので…。

主演はジェレミー・アイアンズとオルガ・キュリレンコ。

どっちも大好きな俳優さんです。

ジェレミー・アイアンズは昔からこうちょっとセクシーな俳優さんでしたが、

お歳を召してからますます、って感じですかね?

オルガ・キュリレンコもすごく美しい人なんだけど、どこか温かみのある

優しい表情がとても印象的でした。

あと、映画を見ていて思いましたが、

スマホが普及し、ラインが出来上がったことで

あっというまに世界共通のコミュニケーション・ツールが浸透して

人の反応というか、世界が同時進行でやることが同じっていうのがある意味すごいな、と。

これがちょっと前でしたら、例えば007の『カジノロワイヤル』の劇中のヴェスパーが

ケータイを持っていても、日本仕様とは違うので、ガイコクって雰囲気を感じることができましたが、

いまや世界中、着信音までが一緒だという…。

ある意味で驚きです!

この話は、そういうツールを駆使して

応答し合う愛の物語ですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とまあ、これから見に行こうという人はここまで、です。

ネタばれありです。。。 

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九月読んだ本のマトメ [読書&映画]

今年は夏バテがきつくて、なかなか読書に集中できなかったかなぁ~。

『神話の力』はすごく面白かった! 

この作者ノジョゼフ・キャンベルって方の著作は他にもいろいろ読んでみたい~~。

聖書、コーラン、仏典などなどはすべて原理主義的に読むべきではない、

すべては暗喩として象徴されるっての、なんかすごく納得です。

 

神話の力神話の力感想


なかなか難しい本だが、今後もたぶん何度でも再読するだろうと思う。

人間は太古から現代にいたるまで、死ぬこと、

たとえそれが植物であっても他の命を奪わずには生命を保持できないこと、

また男女がいる限り性的な問題を避けては生きられないこと。

この三つの宿命を背負っているので、心の中で抱く恐れや希望のイメージはほとんど変わらない。

だから世界のどこにでもたいてい似たような神話があるということだった。

神話は暗喩。人は宗教で人生の指針を決めようとするが、

その前にもうちょっと深い精神世界を旅することも有意義ではないかと思えた。


読了日:9月26日 著者:ジョーゼフキャンベル,ビルモイヤーズ


 

聖船のラー 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)聖船のラー 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想


くだらないけど、面白い!


読了日:9月25日 著者:繭住翔太

マリー・アントワネット (KCデラックス モーニング)マリー・アントワネット (KCデラックス モーニング)感想


惣領センセもここまで来たかって感じです。ルイ16世レイちゃんにそっくりなんです!

イケメンのルイ16世。この本の続きも十分に読みたいですが、

「チェーザレ」も頑張ってほしいと思うこの頃。


読了日:9月25日 著者:惣領冬実


 

キリストとテンプル騎士団―スコットランドから見たダ・ヴィンチ・コードの世界キリストとテンプル騎士団―スコットランドから見たダ・ヴィンチ・コードの世界感想


なんだこれ?少し読んですっごく後悔した。

トンデモ本です。くっそぉ~ダームイット!!売り飛ばしてやるぜっ!!

 聖杯のマークは島津かっての!腹立つ~~!!


読了日:9月21日 著者:エハンデラヴィ


 

ナポレオンを創った女たち (集英社新書)ナポレオンを創った女たち (集英社新書)感想


ちょっと瞠目したのが

今日の「男社会」の根幹を作ったのが他ならぬナポレオンであるということ。

そしてその心情は「男こそがえらい!」というマッチョな考えでなく、

夫婦が愛し合い、支え合う美しい家族を作りたいっ!

という結構びっくりするようなロマンティックな心情からだった。

というのも革命前の貴族は、夫婦が仲がよくないのが当たり前なのであって、

仲が良かったらそれこそ「育ちが悪い」と揶揄されてしまっていたとか。

立てる男を育てるのも女なら、男は立ってこそ女を護れる、

っていうのも純情すぎてナポレオンがかわゆく思える。


読了日:9月14日 著者:安達正勝

ジョゼフィーヌ―革命が生んだ皇后ジョゼフィーヌ―革命が生んだ皇后感想


これまでいろいろと読んだが、これはぶっちぎりに面白かった。

傍目からみたら全くマッチしてないふたり。

女は男より六歳も年上の二人の子持ちの未亡人

まぁ、美人だがとびきりというわけでもない。

かたや貧相な小男。

女は革命を辛くも生き延び、全く食指が動かなかったが、

それでも将来のことを考えれば今はこの男にすがるしか道はなかった。

激戦地で考えられないような情熱的な恋文を毎日毎日欠かさずに書くナポレオン。

つれないジョゼフィーヌ。希代の傑物には器の大きい女でなければならなかった。

人は多面体だという見本のような話。

ナポレオンは女の趣味がよかったのか、悪かったのか、

それは意見の分かれるところだろうが、

私が目するところ、結構目が高かったんだと思います。

ジョゼフィーヌって「あげまん」だったんですよ。

ナポレオンも革命の子なんだし、

出自なんかにこだわらないで、最後まで突っ走ってくれたなら、

セントヘレナ島なんかに流されなくてもよかっただろうに、と思うんだけどね。

ま、彼は死んで名を残したっていうんだから、

まあ、それもよしでしょうか???


惣領冬実の「マリー・アントワネット」(裏ブログとは違うよ) [読書&映画]

9月23日に発売だった

惣領冬実の「マリー・アントワネット」

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アマゾンで買おうとしたら、どういうわけか予約なのか送料の350円かかるっていうんで

ふつうのお店でダーリンに買ってもらいました(極端な出不精なんだな~)

やっぱり前々から、私が言っていたとおり、

王さまはすごいイケメンに描かれていた!

まるで「MARS」のレイちゃんのようでした…。

そこまでかっこよくせんでよいいのにというくらい、ハンサムでございました。

冒頭の大人になった王妃さまのお顔っていうのが

なんとなく、今フランス映画で引っ張りだこのカトリーヌ・フロに似ているような気がして~。

ヴェルサイユ宮殿監修っていうのがすごいです。

絵がやっぱり現地で取材してきたのは違う!って感じで

本当に詳細に描かれていた。

しかし、プチ・トリアノンの館の内部の詳細っていうのは、

いわゆるこのころのフランス貴族の一典型ではないかと思うのですね。

それは、「ベルサイユのばら」の外伝に載っていたジャルジェ家の構造とも

基本的には全く同じだし、

この間見た、ベルギーオランダ貴族のお話の映画

「素敵なサプライズ」に出てきたお屋敷の内観ともそっくりでした。

白黒でできた格子柄の床。それも斜めに走らせるのがヨーロッパですね。

そして、瀟洒な透かし模様の入った片翼だけの階段。

う~ん、いいですね。

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マリー・アントワネットはなんていうのかな、

死んで名を挙げた人ですよね。

生きているうちは、罵詈雑言の嵐でしたが。

ルイ16世は、長らくツヴァイクの伝記が世の中に浸透していたせいで

デブでチビで愚鈍な王様と誤解されていましたが、

全くの逆で、ものすごく名君だったんですよ、

世の中を改革しなければならない、と思っていたから

結果的に革命が成功できたんであって、

暴君だったら、1789年の7月14日に

民衆を徹底的に痛めつけることもできたんですね~。

ナポレオンは案外非道でして、大砲に「ぶどう弾(散弾のこと)」を入れて

虐殺することもいといませんでしたが、

ルイ16世さまは、やはり最後まで使わなかったとか。

(知らないから使わなかったわけじゃないよ)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マリー・アントワネットとフェルセンの恋ってものすごく有名ですが、

これも結局、学者たちの間では意見の分かれるところで

フェルセンは単なる王妃様の取り巻きのリーダーに過ぎないという意見や

王さまがあまりに頭が切れるので、息抜きにバカっぽいフェルセンとの会話を

楽しんだんじゃないかっていう説もあり、

中野京子さんなどは「ロココの時代というものを考えてみると、肉体関係がなかった、ってことが

不自然」ともおっしゃっていて、決定打には欠けるところです。

ただ、わたくしが思うに、

案外、この夫婦はあっさりしていて、ドロドロの不倫を楽しむタイプではなく、

ちいさな家庭の幸せを大事にしていた、とも思えたりするんですよね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しかし、本は「え? これで終わりなの?」って感じで

面白いのに、すぐおわちゃった、続きはないの?って感じ。

だけど、「チェーザレ」も11巻でずっと止まっているし、

早く先が読みたいんですよ~。

わたくしが死ぬまでには全部読みたいです。

惣領センセ、頑張って。


自分的激萌え映画   『デュエリスト 決闘者』 [読書&映画]

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最近、ちょっと暑かったせいか、(京都の夏は半端なく暑い!)

精神的にも肉体的にも、しょぼ~~んとして辛くて、

大好きな映画も見られずじまいでしたが、

ここんとこ、少し回復して、フールーで楽しんでおります。

そして!!

 なぁんとタイムリーなことに、

自分的激萌え映画を見てしまいました!

タイトルは『デュエリスト(決闘者)』

どこに萌えるかというと、それは、それは!!

時代がナポレオン時代の騎兵隊の話なのです!!

わ~い! 

あの時代の軍服大好きな人間にしたら、よだれが垂れるほど

素敵な映画でした!

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騎兵隊の将校さんは、乙女のあこがれ。
いつでもどこでも、モッテモテです。

みんなユサール騎兵の恰好をして、肋骨飾りの服の上にプリスを着て、

サーブル・タッシュをつけていて、華やかです~。激萌えです~。

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今まで、図でしか見たことなかった騎兵隊ですが、

動いているのをみて、なるほど、なるほどと感心してみていました。

それはともかく、

しかも!

監督がかの有名なリドリー・スコットというところが

ビックリです!

あの、「エイリアン」の監督ですよ。

このデュアリストっていいうのは、エイリアンをつくるひとつ前の

映画ということです。

う~ん、スコット監督になにがあったんだ?っていうくらい

作品の質が違う~~。

あ、でもこれがスコット監督のデビュー作らしいですね。

まぁ、監督って扱う素材が違えば、また逆に素材に見合うスタイリッシュな画像を

作りたくなるものだから、それはそれで納得です。

初めは1800年から始まるのですねぇ。

このころの軍隊はまだ、旧体制風ファッションが主流みたいで、

びっくりしたのですが、騎兵隊の将校のヘアスタイルです。

まぁ、なんとなく、ロン毛を後ろでおリボンで結んで、

サイドの髪はローリングして~、っていうのはなじみのあるヘアスタイルですが、

騎兵隊の人間は、サイドの髪を三つ編みしていた!っていうのが

 なんか新鮮でした!

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でも、ナポレオンが皇帝になるあたり、1810年ぐらいになると、

流行が変わったというか、世の中の意識も変わっていくらしく、

髪の毛はロングにしなくなるんですね~。

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主人公のデュベールも途中で髪の毛を切っています。(でも、ローマ風に刈り込んでいなくてちょっと長い)

話は…。

1800年の第7騎兵隊の時代。

ストラスブールに駐屯していた第7騎兵隊に、

フェロー中尉という、きわめて決闘好きの男がいました。

本当は、軍人は決闘をしちゃだめっていう規則があったのに、

なんとフェローはそこの有力者の息子と決闘して重傷を負わせてしまう。

部下の不始末を聞きつけて激怒した将軍は

主人公のデュベール中尉にフェローを謹慎処分にするということを伝えて来い!と

命令します。

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将軍ファッションも渋い!!!

しかし、単なる伝令役のデュベールに対し、フェローは「謹慎処分」にされたのは

お前のせい、といって逆恨みします。

バカとは会話ができないという典型です。

すぐにまた、「お前と決闘する!」とフェローは激高します。

ここで、受けて立つと自分だって軍紀を犯したことになり、

自分の立場が危うくなることを知っているデュベールは

決闘することを固辞するのですが、アホなフェローはどうしても返してくれません。

諦めて決闘するのですが、

賢いデュベールにフェローはどうしたって負けちゃうんですよ。

初めは剣で、

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次は馬上で、

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最後は銃でって

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何回やれば気が済むの?

それに、デュベールはフェローに対抗心ももってないしね。

しかし、いつまでたっても、フェローは和解することをかたくなに拒み、

なにかあるごとに決闘を再開させようとする。

さて、時代は過ぎ去り、キレモノのデュベールはそれなりに

ナポレオンのロシア遠征にも辛くも生き残り、あまつさえ王政復古の世の中になっても、

世の中をうまく泳ぎ渡り、めでたく旅団長(日本風に言えば、少将)にのぼりつめました。

長らく戦い一辺倒で生きていたデュベールですが、姉さんが持ってきた縁談を受け、

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キース・キャラディーンの手足が長くて優雅なこと!
もう、美しすぎて震えます!笑

幸せな家庭生活を送ります。

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 ウェディング・ケーキをカットインするときは
自分のサーベルでカットよ。
やっぱり、手も美しくてセクシーな
キース・キャラディーン!
紺サージの上に金糸の刺繍が見事な将軍ファッションも素敵!!!!
あ~、こういう素敵な将校さんとなら
あたしも結婚したいかも!
(旧日本陸軍はいやです)

さてもうすぐ妻が月満ちて初産をしようというまさにそのとき、

しつこいフェローはまた、挑戦してくるのです。

しかし、デュベールは今や父親になろうとしているのです。

それに妻もいる、そして一人娘の妻の舅もいます。

いまやデュベールには一家の長としての責任があります。

ここはどうでもフェローに勝たなければならない。

デュベールは誰にも告げず、フェローとの一騎打ちへと向かうのでした!

・・・・とまぁ、ありがちな話ですが、

それなりに面白かったです。

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このデュベールをやった俳優さん、まったく知らない人で

キース・キャラディーンという人なのですが、

わたくしのストライクゾーンど真ん中という、すっごいハンサムな人です。

なんていうのかなぁ、いかにもイギリス男って感じ

(とかいいつつ実はアメリカ人 要するにアングロサクソン色の強い人)で、

レイフ・ファインズとかジェレミー・アイアンズみたいな

ものすごく手や脚が長くて、肩幅もあって、首なんかも長くて、

って感じのハンサムさんです。

どういうのかなぁ、前も『シェリ』のルパート・フレンド見て思ったけれど、

こういう人って絶対にイギリス人なんであって、フランス人には見えないんですよね。

イギリスとフランスって近い、と思うけど、

イギリス人って実は北欧に近くて、フランス人って南のローマ寄りの人種なんだなぁと

思ったりします…。

フランスを描いた、イギリス映画なのでありました。


無垢な少女の娼婦  pritty baby [読書&映画]

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だいぶ、昔の映画を見ました。

ブルック・シールズの出世作、ルイ・マル監督

「プリティ・ベビー」

この映画は、アメリカ映画らしいですが、

舞台はニュー・オーリンズで、少しフランス風なんですよね。

で、監督さんもフランス人なんで、

昔のフランスの娼館である「メゾン・クローズ」の雰囲気が

よく出ているなぁ、と見ていて思いました。

パリ、娼婦の館  メゾン・クローズ (角川ソフィア文庫)

パリ、娼婦の館  メゾン・クローズ (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2013/10/25
  • メディア: 文庫


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そして、身体をひさぐ商売で、ギスギスしている女たちばっかりいるのかなぁ~

と思いきや、舞台の裏側を見ると、

女将がいて、身体を売る女がいて、作男もいて、料理女もいて、

男に身体を売っているわけだから、当然、その結果として

子供もうろちょろしているわけで、

案外、こうふわ~っと家庭的な雰囲気もある。

これはモーパッサンの『テリエ館』を読むとよくわかる。

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まぁ、そういうフランス風な感じが濃厚な娼館が舞台となります。

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そこにまだ大人でもなく、子供でもない12歳の少女、ヴァイオレットが住んでいます。

彼女は、娼婦の母親から生まれて、この館で育ち、この世界以外のことを

知りません。

男に身体を売ることが、賤しいことだとも別段思っていないし、

そういうのがごくごく当然で、自分も将来は母親やここの仲間の姐さんと同じように

娼婦になるんだろうなぁと思っているんですよね。

でも、あるとき母親のほうがパトロンを見つけて、娼館を後にする。

堅気になれたわけなんです。

でも、外の世界をしらないヴァイオレットは母親と一緒に

パトロンの家へ行くのを断固拒否する。

そして…、あるとき、初物であることを付加価値として

客の前で競りにかけられ、なんと一晩400ドルの値をつけられて

中年の男に破瓜されてしまうのですね~。

そういういたいけなヴァイオレットを放置できなくて、

全うに育ててやるには、夫婦になるしかないと思い、

娼婦を撮る写真家の男に引き取られるんですね。

でも、あるとき母親が迎えに来て、

「まだ年端もいかない娘に対して、

親の同意もないこの結婚は無効だ!」っていって、

むりやりその写真家から娘をかっさらっていくんですよねぇ。

最後は良家の子女ふうな恰好をさせられて、

駅のプラットフォームに立つ、ブルック・シールズですが

良かったね、っていう気持ちにはなれず、

「なんて痛ましいんだろう」ってしみじみするんですよね。

この子は、今まで世の中の裏の裏まで見て来て、

今更、まっとうな世界に戻っても不幸になるんだけなんだろうなぁ、みたいな。

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それと同時に当時11歳のブルック・シールズですが、

まだ、大人の世界もよく知らず、実際はもっと夢見るような

親や、友達などで幸せにくらしているような年頃なのに、

こんなすごい映画で全裸になって、ものすごい大胆なポーズをとらされているのが

本当になんというか、痛ましいんですね。

劇中の少女娼婦のヴァイオレットも

それを演じているブルックも

やらされていることの本当の意味もわからず、

微笑む顔ざしのなんと無垢なことか…。

それがもう、絶世の美少女ですから、よけいです。

後年、ブルック・シールズは、やはり幼児虐待を受けた、

マイケル・ジャクソンと仲がよかったそうですが、

やはりね、こんなロリータ趣味の映画に出させる親の良識みたいなもの、

なんだか疑ってしまうんですよね。

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子役と言えども、やはり心はありますからね。

そのときは言語にできなくても、

受けた心の傷はあとになってうずくはずです…。


八月読んだ本のマトメ [読書&映画]

月が九冊、夏バテしてて、なんだかすべてが未消化で

覇気のない一か月だった…。

ただ、この中で「刀伊入寇」がすごくよかった。

あの「枕草子」の中に出て来る中宮、藤原定子の弟、隆家が主人公。

これ、わたくしの夫サマとも話していたんだけど、こういうのほんと大河ドラマにしたら

面白いのにね、て。

この作品は、話もそうなんだけど、この主人公の貴公子にして

猛きもののふぶりがもう、しびれるほどかっこいいっていうか、美しくて、

そう、美しいんですよね。ものの考え方が。

しびれるイッサツでございました。

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ナポレオンの生涯 (文庫クセジュ)ナポレオンの生涯 (文庫クセジュ)感想


シャトーブリアンの「彼は生きているときには世界を失ったが、

死んで世界を我がものとした」というセリフは心憎い。

当時、革命が起こらなければならないほどにフランスは窮乏していた。

勃発後、革命効果が波及することを恐れた他の国は対仏戦争を仕掛け、

それがもとでナポレオンは常勝将軍となり、フランスの国家財政は蘇生したのだ。

それを思えば、やっぱりナポレオンは革命の申し子でもあり、鬼子でもある。

ナポレオンの最後は耄碌した秀吉と似ているが、

セントヘレナ島で回顧録を執筆して後世に自分の偉大さを伝えたのは、実に抜け目ない。


読了日:8月26日 著者:ロジェデュフレス


 

刀伊入寇 藤原隆家の闘い (実業之日本社文庫)刀伊入寇 藤原隆家の闘い (実業之日本社文庫)感想


作者は本当にシビレるフレーズをお書きになる。

「勝者がすべてはない。敗者の悲しみやせつなさの中にこそ美しさは発露される。」

中関白家・道隆の次男、姉は中宮定子。

一時は世の栄華を極め敗れ去った一族だからこそ、その心情が一層際立つ。

ところで刀伊という存在はこの本を読むまで全く知らなかったし、

また「大鏡」で「中納言殿、御気色悪し」のあの中納言が隆家だとも認識してなかった。

(すごく日本史音痴なの)こんな雅やかな貴公子が軍を率いて遠い夷狄と刃を交えてたとは。

しかも清少納言や紫式部と同時代人。う~む、歴史って重層的!


読了日:8月21日 著者:葉室麟

レベレーション(啓示)(1) (モーニング KC)レベレーション(啓示)(1) (モーニング KC)感想


リュック・ベッソン監督の「ジャンヌ・ダルク」を地で行くような感じ。

きょわいわ~。


読了日:8月21日 著者:山岸凉子

テレプシコーラ/舞姫 第2部1 (MFコミックス―ダ・ヴィンチシリーズ)

テレプシコーラ/舞姫 第2部1 (MFコミックス―ダ・ヴィンチシリーズ)
読了日:8月21日 著者:山岸凉子


 

はなとゆめ (角川文庫)はなとゆめ (角川文庫)感想


とても感動しました。「はなとゆめ」というタイトルがむむむ?でしたが。

枕草子の話だったのですね!!人は何で生きるのか、

ということをこれほどまでに明快に書かれた小説はなかったような気がする。

人生は短く、花の命も本当に短いが、

時宜に叶ってそのミラクルのような花の開花を見ることが出来る幸運な人がいる。

それが清少納言だし、その結実が「枕草子」なんですね。


読了日:8月19日 著者:冲方丁


 

レヴェナント 蘇えりし者 (ハヤカワ文庫NV)レヴェナント 蘇えりし者 (ハヤカワ文庫NV)感想


これは同名の映画の原作ではなく原案というところがミソ。

なじみのない地名そして川。自宅の高等地図帳を探しても、

ミズーリ川は載っているがグラント川は載っていない。

せめてこの物語の主人公、ヒュー・グラスが劇中で活躍しているおおよその地図を載せてほしい。

映画のディカプリオは燃えるような復讐心を抱いて、

地獄の底から蘇り、信じられないようなサバイバルゲームを展開していたが、

小説はどういうわけかヴィジュアルとして優れている描写は皆無だった。

もしかしたらこちらのほうが史実に近いのかもしれないが読んでいて退屈だった。


読了日:8月16日 著者:マイケル・パンク

華麗なるナポレオン軍の軍服: 絵で見る上衣・軍帽・馬具・配色華麗なるナポレオン軍の軍服: 絵で見る上衣・軍帽・馬具・配色感想


こういう服飾関係の本は大好きなので、思わず買ってしまった。

ベルばらを初めて読んで以来、ナポレオン時代の軍服ファッション・ファンです。

本当に美しい。

それにしても思うのは、たとえ一兵卒と言えど、かなり凝った服を着ていたということ。

下級将校だとしても、上着の意匠、サーブル、サーブルタッシュ、剣帯、軍帽のみごとさ。

刺繍なども本当に精緻を極めていて、一そろい作るのに、どれだけの時間とお金がかかったのかと思う。

しかし、ロシア遠征の時に40万いた兵隊さんは2万しか生還できなかったとか…。

なんかいろいろと感慨深い。


読了日:8月13日 著者:リュシアンルスロ

ナポレオンの生涯 (「知の再発見」双書)ナポレオンの生涯 (「知の再発見」双書)感想


ナポレオンの肖像画・戦争を描いた絵画は驚くほど多い。

ナポレオンってこういうイメージによる情報操作も得意だったのかなと思う。

この人は将軍時代や執政時代までは華やかな恰好をしていたけど、

皇帝になると親衛隊の連隊長という左官服を着ていた。

登りつめると恰好なんでどうでもよくなるのか。やっぱり賢いなぁと思う。

ルイ16世もこういう世知に長けていたなら、もっと違う人生を送れたのではないかと思う。

案外知られていないことだが、マリー・アントワネットの服飾費なんて

ジョゼフィーヌの浪費と比べたらかわいいもんだったっていうし…。


読了日:8月13日 著者:ティエリーレンツ

ジェームズ・ボンドは来ない (角川文庫)ジェームズ・ボンドは来ない (角川文庫)感想


実話だ。そしてめまいを覚えるほど衝撃的。

もともとスパイ映画が好きだが、

その中でも特に『カジノ・ロワイヤル』以降のボンドが好き。

『トゥルーライズ』も真っ青の、ゴージャスな設定。ともかくどんなシーンでもいいカットが撮れるまで、

金に飽かせて撮影をやり直したとか。

女神のようなエヴァ・グリーンを前に、直島でボンドガール・コンテストとか…。

可笑しいを通り越して痛ましい。

あまりにしょぼい。しかし島民は結構本気なので、

それがいっそうこの話をミゼラブルなものにしている。

ここが現実の日本なのかって疑ってしまうほどに。


読了日:8月1日 著者:松岡圭祐


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